AIがプログラマーを駆逐する未来、人々はどうすべきなのか。
2022.09.07
2022.09.12
人工知能(AI)の歴史を振り返ると、これまで何度もブームと停滞の時期を繰り返してきた。現在は第3次ブームとされている。もっとも、今ではAIの実用化が進み、すっかり社会に溶け込んでいる。ブームと呼ぶのはもはや違和感がある。
第1次ブームは1950年代後半から1960年代、要するにAIの黎明(れいめい)期だ。このころに生み出されたのは、人に近い会話が可能な「人工無脳」のような実用性に乏しいAIであり、社会にインパクトを与えるには至らなかった。
次にAIが大きく注目されたのが1980年代。第2次ブームの到来だ。専門家と同様の判断ができる「エキスパートシステム」がもてはやされ、AIに最適なハードウエアの開発を目的とした「第五世代コンピュータ」という国家プロジェクトが立ち上がった。
このころ私は大学院生であり、やはりAIに強い関心を持っていた。当時は、「Prolog(プロローグ)」というプログラミング言語がAIを実現するのに適していると信じられていた。Prologでは、関係性を記述したロジックを積み重ねていくことで、様々な問題を解けるようになる。大学ではパソコンクラブに入っていたが、私たちの学年はほぼ全員がPrologに興味を持っており、先輩からは「Prolog一派」と呼ばれていた。